ハンディカムは手振れを抑えるつもりはないらしい。

教習所のコース?

いや、ローラースケートコースだ。どこかの河川敷。児童向けの。

音はない。

雑草だらけ。

誰もいない。

雨天。 

突然猛烈にコーナーを回ってくる全裸のスケート男。

カメラは振り向きざま通り過ぎる男の背中を追う。ブレまくりでもそれが血だらけであることは分かる。

向こうのコーナーを回ってスピードはどんどんあがっていく。どんどんどんどん。

ミニチュアのようなコースをぐるぐる回る。ぐるぐるぐるぐる。いつか振り切れそうだ。

やがて限界が来て、操り人形のように嬉々として弾き飛ばされアスファルトに叩きつけられる。

襤褸屑のように転がる。

裸の身体を防護するものは何もない。

肉の塊は動かない。動かない。動かない。動かない。動かない。

雨は降る。川は流れてる。 

やがてゆっくりと起き上がる。戦場で倒れた英雄かなにかのようにだ。

そうしておもむろにまたコースに戻る。繰り返し。

はじめはゆったりと。惰性と慣性。

どんどんスピードはあがっていく。

どんどんどんどん。