ぎざぎざの歯並びした

踏板が背後から次々と滑り込む。

尻の下に送られてくる。

有無を言わせぬ永久機関のシュレッダー

冥界への吸い込み口に

トレッキングシューズの分厚いつま先がひっかかって

望まれた運命のようにして消えていったのは幸い

垂れ流した意識だけだったみたい。

 

はるか上方から転がるように墜落した私が

呆然とへたりこんでいる付近では

エスカレーターは

下降のために費やしていた運動を水平へとすっかり切り替えていて

入れ替わり差し替え繰り延べられる台座の上で

浜に漂着したようにして上下していた。

コンベアのうえの商品みたく。

 

右手が壊れてる。

肘から下は重くぶら下がった部品。

 

雪の舞う日のハイボール

桐で開口した後頭部から注入していた。

忘却を縫いつけていた

針で貫く。何度も何度も。

喰われた右腕は救急に価するかしら?

 

円筒したチップスターの紙箱をキッチンで踏みつぶして添え木にした。

室内干ししていたヒートテックのパンツの裾を結って

首から垂らして引っ掛けてぶら下げた。